「仕事を楽しむ人は忙しいとは言わない」(古川裕倫、扶桑社)まえがきから
口内炎があると、早く治ってほしいと誰でも思います。
ほんの小さな口内炎でも気になります。そう思うから、自分の舌でちょっと触ってみてやはり痛いと感じ、大変不愉快な思いをします。
口内炎があるときは、それが治ればいかに幸せであるかとも思います。なんとかこの不幸な状態から脱したい、そして幸せを感じたいと願います。
しかし、口内炎が治ったとき、「ああ、口内炎が治って幸せだ」と感じ続けるでしょうか。治ったら幸せのはずなのですが、治ってみたらその幸せを感じなくなってしまいます。
自分にとって嫌なことがあればそれを不幸と思い、それがなくなれば幸福になれると思っているくせに、実際に嫌なことがなくなると幸せを感じない。
では、人生で「不幸」であるときと「幸せを感じない」ときばかりであれば、いつ自分が幸せを感じるのでしょうか。
幸せであることに気づかないか、幸せを感じることを忘れているのだと思います。
「人は自分の不幸に敏感であり、自分の幸福に鈍感である」と私は思います。
本書の目的は、いかに幸福に働くかについて解説することです。
それは、人生で、働く時間が大変長いからです。
当たり前ですが、平均寿命が延びるとともに、人が働く年数も延びていきます。大学を22、23歳で卒業したとして、65歳ぐらいまで、最低40年間も職場で働くことになります。これからは50年も働く人も出てくるでしょう。
1年365日の内最低200日、1日8時間以上職場で過ごすと、人によっては、自分の親や家族より長い時間を一緒に過ごすことになります。
そんな長い時間を職場で過ごすのなら、ぜひ幸せに働いていただきたいと思います。
私は、人の一生の全部をかくのとおり幸福に過ごすべきなどと、大それたことを述べるつもりもありませんし、また、そう言える資格もありません。私には、宗教だとか科学や恋愛だとかを書く能力もありません。
ただ、ビジネスの世界は、長く見てきました。
1、いい顔をして元気はつらつとして働く人、仕事の実力がある人、仕事が好きな人、人を動かせる人など多くを見てきました。これらの人の多くは幸福に働いていると思えます。
2、反対に、「つまらない」「なんで俺がこんなことをしなければいけないんだ」「俺の給料は安すぎる」と言うばかりで、結局いい仕事もせず、実力も上げず、ズルズルと退職まで過ごす人も見てきました。そういう人の多くは、自分は不幸であると言います。
3、また、能力があって理屈もわかっているが、行動に移せない人や自分から一歩前に出ることのできない人も大勢います。小さな失敗を恐れず一歩前に出れば、いい仕事ができて会社も認めてくれるのに、自ら自分の道を閉ざしている人たちです。多分、働く幸福を理解していない人たちです。
4、また、そんなことには何も気づかずに、定年退職まで何も考えずに働く人もいます。
人はみな人生を自分の好きに送ればよいと言ってしまえばそれまでですが、ビジネス書を手に取ってみる人であれば、上記1でありたいと思われるでしょう。
働いてお金持ちになりたいという人がたくさんいます。
人生を楽しく過ごしたいと思う人もたくさんいるでしょう。
何か大きな目標を持って生きたいと思っている人もいるでしょう。
でも、目の前の仕事が忙しくて、なにをしてよいかわからない。自分が時間に流されている。他人や周りのいろいろなことが気にかかる。今こんな仕事をしていてよいのかと思っている人も数多いと思います。自分の人生の目標に至っては、まだ思いもつかない。
お金持ちになるのも、人生を楽しむにも、幸福と感じるにも必要なものがあります。
答えは、そうなろうという気持ちと、考え方を持ち、行動することです。
お金で買えないものも、いくつかあると思います。
他人の気持ちであるとか、自分の生き方だとか、仕事上や生きていく上での他人からの信頼を得ることもお金で買えません。
宝くじに当たるというような幸運(幸福とは別モノ)がない限り、明日すぐお金持ちになることができないはおわかりと思います。今起業して、2週間で成功することなどありえません。1か月で多くの顧客や人様から信頼を得ることも不可能です。
しかし、仕事に振り回されていると、時間などあっという間に経ってしまいます。
目の前の仕事の生産性を高めるという「短期的時間術」と自分の将来を見据えてどうすれば自分が幸せに暮せるかという「長期的時間術」すなわち「将来設計図」が必要です。
時間術というと、目先のテクニックをすぐに思い浮かべると思いますが、私はそうではないと思います。長いようで短い人生を考えて、どういうものの考え方をするかも大変重要だと思います。
仕事は人生の1ページですが、どうせ仕事をするのなら、楽しく効率的に行いたいものです。
また人間は一人では生きていけません。社外にいい友人を持つにも、人脈を作るにも、家族や子育てにもそれなりの努力や時間や工夫が必要です。夢を叶えたいのなら。
工場などでは生産工程の分析や管理がずいぶん進んでいますが、営業やオフィスワークをどう効率的に進めるかについては、やり方が人によってバラバラです。
昨今、働き方改革が叫ばれていますが、単に残業を減らすだけでは仕事の生産性が上がるわけではありません。
効率的で生産性の高い仕事に変化させる必要があり、のちに詳しく述べるように仕事の見直しなども必要ですが、自分自身の成長も必要となってきます。
勉強して自分の価値を高めたいと思っていても、そのやり方が効率的であるかどうか自分ではわからない。たとえば、読書が大切と言われても、何をどう読んでどうやって吸収したらよいのかよくわからない。時間をかけて読んでも、本当にそれが自分の成長につながっているのだろうか、という疑問があるでしょう。
のちほど詳しく説明しますが、人生は限りがあるからおもしろいのです。人生は、若手が思うよりはるかに短い。しかし、時間は買えない。誰の1日も24時間しかないのです。幸せに働くために、やりたいことを成し遂げるためにも生産性の高い仕事をしましょう。
考え方、心がけ次第で、それは働く誰にとっても可能であると私は思っています。
私ごときが言うのでは、説得力が低いので、本書では幸福論を書いた先人何人かの教えを引用したいと思います。
世の中に幸福に生きるために書かれた良書がたくさんあります。アラン、ラッセル、ヒルティの幸福論は、3大幸福論として知られています。また、ショーペンハウエルの幸福論、武者小路実篤の人生論、ベンジャミン・フランクリン自伝や福沢諭吉自伝などにも、ビジネスパーソンが幸せに仕事をできる金科玉条のヒントがたくさんあります。ただ、現代に当てはまらない部分があったり、非常に読みにくかったりするのが、玉にキズではあります。
ここでは、先人の幸福論全体を解説するではなく、先人が働くことについてどのような考えを持っていたか、働くことと幸福の関係はなにかいうことに絞って、考え方や言葉を紹介していきたいと思います。
もちろん、偉人の先例だけではなく、私たちが直面する現代の職場の問題も具体的に挙げて、ご説明していきたいと思います。
幸せに働くことにご興味のある方、その趣旨にご賛同いただける方は、本書にお付き合いいただければと思います。
学びの3原則
どうすれば自分を高めることができるのか、拙著「20代、仕事の原則〜10年後後悔をしない生き方〜」(古川裕倫、日本能率協会マネジメントセンター)から一部をご紹介します。
学びの3原則 その1「仕事から学ぶ」
前項で「自分を高めて、組織に貢献すれば、自分に返ってくる」と言いましたが、どうやって自分を高めたらいいのでしょうか。
理解力、分析力、計画立案力、説明力、決断力、行動力、問題解決能力などは、会社生活で必要なものですが、こういったスキルはどこで一番効率的に身につけることができるのでしょうか。
もちろん会社です。どうせ長時間会社にいるのなら、会社にいる間に身につけることです。学びながら会社に貢献していることにもなります。
昔の人は、「会社ではお金をもらって学ぶことができる」と言いましたが、まさにその通りです。嫌々仕事をするのと、自分の実力をつけるべく積極的に仕事をするのでは、大きな違いがあります。(中略)
学びの3原則 その2「人から学ぶ」
私がお勧めする人から学ぶ効率的な方法は、メンバーを見つけることです。メンターとは、「仕事や人生に置いての助言者・教育者」のことで、「あんな人になりたい」という心の恩師のような人です。100%完璧な人などいませんので、その人のよいところだけを学ぶという気持ちで十分です。
探すなら同じ職場の先輩がいいでおかしょう。直属の上司でも別の部署でもいいですが、自分の職場から近いところがいいです。自分が尊敬できそうな、自分が見習いたいような人を見つけます。
見つかったら、次にその人をよく観察することです。
会議や打ち合わせでどんな発言をしているか、お客様にどのような対応をしているか、上司や部下にどのように向かい合っているか、緊急時にはどのように動いているかなどを知りましょう。
そして真似ることです。「学ぶ」の語源は、「真似る」だそうですが、何にせよ真似ることから学びがはじまるのです。(中略)
メンターして尊敬できる人は、そもそも人間力が高い人が多く、若手が飲みに連れて行って欲しいと言えば付き合ってくれます。あとはいろんな教えを受けることができます。
ひとつだけお願いしたいことは、自分がメンターにお世話になるのだったら、将来は自分が後輩のメンターとして世話をすることです。そんな先輩にならないといけません。人生を効率的に生きたいと思っても、人様あっての自分です。自分だけ効率的になどと思っているようだと、たいした人生にはなりません。
学びの3原則 その3「本から学ぶ」
これは私の持論ですが、「できる経営者や立派な人には読書家が多い」。読書をして学ぶ姿勢を持っている人には、部下や他人、家族が尊敬の念を持ち、ついていきたいと思うものです。
先に申し上げたように、読書は時間がかかると思われがちですが、実はその時間に対して得るものはきわめて多く、効率的です。偉人・先人が苦労して感じたことや身につけたことが一冊の本に凝縮されていて、まさに自分が経験していないことを疑似体験できるのです。
たとえば、松下幸之助や本田宗一郎が、思ったこと、経験したこと、方針としてきたこと。多くの経営者が師と仰ぐピーター・ドラッカーが主張していること。いまでも尊敬されている孔子や孟子を初めとする古今東西の人物の考え方や生き方などを知ることができます。
また、コストがたいへん安い。単行本は一冊1500円くらいです。1冊の中に10学ぶところがあれば、1つあたり150円です。自分がそれを身につけて、会社や社会で活用すれば100倍、1000倍の価値につながります。学んだことは、会社だけではなく、個人の生活や生き方にも応用できます。
私のお勧めするビジネスに役立つ読書分野は、自己啓発書、ビジネス書、歴史書(歴史小説)、伝記です。
スキルを高めるにはビジネス書です。ビジネス書は物事を体系的に説明しています。OJT(業務を通じての教育訓練)は、たしかに記憶のインパクトが大きいですが、必ずしもOJTだけですべてのビジネスフローをカバーできるとは限りません。ビジネス書を普段の自分の仕事と比較しながら読むことが大切です。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」や「竜馬がゆく」など、激動する時代に前向きに立ち向かう若者が描かれた歴史小説は、自分の人間力を高めるにも役立ちます。
スキルが高いことも大切ですが、尊敬されるには、おもしろい、さわやか、ブレない、懐が深いなど、右脳的な魅力、すなわち人間力も必要です。
ところで、かくいう私も読書が昔から得意だったわけではありません。むしろ奥手でした。私が38歳の時に、私の人生での3番目のメンターが読書を強く勧めてくれました(中略)。
(追記)
本を読むメリットをここに挙げてみます。
- 自分が知らないことが発見できる。
- 自分ができていない部分が発見できる。
- 自分ができていることの確認ができる。
本とご自分を比較して、これと思うことを実行に移すことです。理解するだけではもったいない。
小林一三の足跡
「タカラヅカを創った小林一三と明治の商人道」(古川裕倫、未発表)の中から私が尊敬する小林一三の足跡をご紹介します。
小林一三は、明治六(一八七三)年、今の山梨県韮崎市の裕福な家庭に生まれ、慶應義塾で学んだ。
慶應義塾では福沢諭吉(ふくざわゆきち)の考え方に大いに影響を受ける。
福沢の一番の教えでは、独立自尊であった。
また、福沢は、塾生に事業家を目指すよう勧め、それを一三は行動に移した。
銀行員を足掛け十五年勤め、その後箕面有馬電気軌道(現阪急電鉄、以下阪急)を創る。
電鉄沿線の住宅地開発や街づくりは、その後の多くの電鉄のロールモデルとなった。電車の駅にデパートを合体させたターミナルデパートを作り、沿線終点に宝塚新温泉を開業させ、そこに女性のみで演じる宝塚歌劇を創立し、電鉄利用客の需要を拡大した。
電鉄沿線で電力供給事業も行い、リゾートホテルや現在の第一ホテルなど都市型ホテルも建設し、電鉄以外の収入も増やした。
その後、映画や演劇事業に進出、東宝(東京宝塚が語源)を設立し、コマ劇場を作った。
沿線事業の一つとして阪急宝塚線の豊中に運動場を作り、外国のチームを招聘したり、現在の高校野球の原点である全国中等学校優勝野球大会を開催したりした。
また、プロ野球の原点である職業野球として宝塚運動協会を作り、のちに阪急ブレーブスを保有した。
大正末年、当時の東京の財界から声がかかり、東京田園調布の都市開発と鉄道整備に注力し、現在の東急の立ち上げに協力した。
さらに当時電力会社が乱立する中、東京電灯(現東京電力)の立て直しにも協力し、電力需要を増やすために、昭和肥料(現昭和電工)や日本軽金属などアルミニウム製造会社を支援した。
その後、経営の手腕を買われ、昭和十五(一九四〇)年には、第二次近衛内閣の商工大臣となり、戦後は戦災復興院総裁になった。明治・大正・昭和と電鉄事業を基軸として多くの事業を興した日本を代表する事業家である。
昭和三二(一九五七)年、終の住処であった大阪府池田市の自宅にて逝去。遺言状の通り、宝塚大劇場で宝塚音楽学校葬が行われた。
脱サラ人間が、電鉄会社を始め、その後多種多彩な事業を成功させた。
確かに鎖国から解かれた明治という新時代という背景はあったにせよ、これほどまでに変化に対応し、新規ビジネスを構築するという結果を残した人間は稀有である。
単なる強運ではこれほどのことができる訳がない。
それなりの才能と努力があったから成功したのである。
以下が一三の成功の要諦であると筆者は思う。
一、先輩や先人の教えに耳を傾け、「人から学ぶ」ということを実践してきた。先輩や先人の解説が長すぎるとお叱りを受けるかもしれないが、本書には一三が学び関係した多くの人物に登場いただく。
二、一三は、「書物から学ぶ」ことを実践した。膨大な読書量から、ビジネスに活用できる多くのヒントを得た。
三、若い頃から小説や芝居を愛し、慶應時代には小説を書いた。
事業を始めてからは、自分でパンフレットやポスター作り、歌劇の歌まで作詞し、大衆の心をつかんだ。企画力・創造力が高い。
四、何ごとにも興味を持ち、「なぜ、そうなっているのか」を考え抜き、「どうなるだろうか」と先を読んでいる。
五、調査できる部分は徹底的に行い、一旦やると決めたら脱兎のように行動する。スピートと行動力が素晴らしい。
本書では、才能あふれる明治人だけではなく、同じ地元に生きた平凡な明治人にも分け隔てなく裸の付き合いをした一三の人生を振り返りたい。
池田市第7次総合計計画に対する私見
2021年1月4日
関係者の皆様
古川裕倫
第7次総合計画策定にあたっての私見
(はじめに)なぜ今、私見か?
第7次総合計画審議会委員の公募委員(市民枠)に手を挙げたのですが、その選考に漏れたので、私見を述べさせていただきたく存じます。本審議会委員会や議員の皆様にこの一部でもご参考なればと思います。
私は、現在66歳であり、残された人生も短いので、誕生から高校卒業までお世話になった池田市にささやかでも何らかの貢献をしたいと思っており、本計画策定のお手伝いもしたいと強く思っていました。
今から10年後の第8次総合計画策定の時点では、多分私はあの世に逝っているか、生きていてもかかる計画策定には歳を取りすぎていると思われますので、今回の第7次総合政策(以下、第7次計画)策定の機会に意見を言わせていただきたいと思います。
多くの方が苦労をされ、時間をかけて過去の計画を作成されたことには敬意を表したいと思いますが、大変生意気を言わせていただくと、第6次計画を含め、計画は立派ですが、結果・実績はどうであったかを検証が必要かと思います。
計画を作成することが目的ではなく、実行可能な計画に従って池田市をよくしていくことが目的であろうと思います。
第6次計画に参照されている「いけだパートナーシップ21(男女共同参加推進計画)」と「みなおし’97(行政みなおし推進計画)も拝見しましたが、計画はどちらも大変立派ですが、前者の成果が出ているかは疑問なしとしません。
池田市も含め、全国の自治体が面している人口減少への対策が急務であることは第6次計画にも指摘されていますが、果たしてその成果はどうであったか。
今回のサウナ騒ぎは、全国にテレビ放映されており、池田市のイメージダウンとなったと言わざるをえず、人口対策にもネガティブに働くのではないかと危惧しています。よって、その挽回の意味もあり、危機感を持って、次の10年計画を策定する必要があると思います。
私は、年末の大掃除もせず、年末年始をこの提案書作成に費やしますので、ぜひお読みいただき、実行に移していただきたいと思います。
第7次総合計画策定手順についての提言のまとめ
- 計画には優先順位をつける。総花的ではなく、何が大切で、どんな優先順位なのか。
- 前計画の振り返りをして、第7次計画を策定して欲しい。なぜ人口105,000人は達成できなかったかの検証が必要。
- 新たな課題への注目。「住みたいまち自治体ランキング」も直視する必要がないか。どれだけの人が池田市の素晴らしさを認識しているか。
- スローガンの整理が必要ではないか。いろんなスローガンがあって分かりにくい。
- 理念を明確にする。ミッション・ビジョン・バリューを考える。
池田市として取り組む事業などについての古川個人提案のまとめ
- 池田市の予想される人口減少を最大課題として、対策を立てる。
・「母になるなら池田市」(関西版流山市を狙う)
・もしくは、家族連れで関西に転勤する人たちに池田に住んでもらう) - 人口減少に対する対策を考え、行動する。
- 空家対策の成果を出したい。
- ダイバーシティ、特に女性活躍推進を行うべき。
- 生産性向上のための断捨離・ECRS(イクルス)を進めるべき。
- スマートシティとなることを目標とせずに、IT化は進めるべき。
- 池田市キャラクターの成果は?フクマルではなくウォンバットそのものがいいのではないか。
- ダウンタウン石橋のさらなる活性化を図るために。
- 最後に
【第7次総合計画策定手順についての個人提言の詳細】
第6次総合計画(以下第6次計画)を手元に置いて、意見を述べたい。
(1)優先順位をつける
・第6次計画は大変立派な計画ではあるが、あれもこれもと総花的であり、どれが池田市にとって最も大事であるかわかりにくい。計画の目的から広い分野をカバーする必要があるのなら、せめて何が一番大切なのか、どの順番で大切なのかなど、優先順位を明確にする必要はないか。理由は、どれを優先して行動に移すのかが見えないから。
(2)前回の振り返りを行い、次回計画を策定する
・第6次計画には、「第5次計画」の未達成課題の振り返りがほとんど書かれていない。本来は、「第5次はこれを狙っていたが、〜という理由で達成されていない。よって、第6次では、それに関してこのような戦略を立てる」とあるべきではないか。振り返りを元にした次期戦略構築が必要ではないか。第7次計画策定においては、ぜひ、第6次計画の振り返り・反省点を抽出していただきたい。
・例えば、第6次計画(P26)では2022年現在での「目標定住人口」を105,000人としている。なぜこれが未達成であるのかを見直し、その理由も検証する必要がある。
他の例で言うと、第6次計画(P28)で、「行革なし」と「行革あり」で、歳入・歳出の予想を行っているが、行革の成果を確認するためにも、実際はどうであったかの検証が必要ではないか。
・民間でも計画を策定する際に、(1)前回の計画の出来不出来の要因を振り返り、現実的に達成可能な次の計画を練るか、(2)前回計画をないものとして、新たに計画策定に取り組む。(2)は、「算盤の、ご破算で願いましては」と前回計画がなかったことにして、次回計画をゼロから作る。「ガラガラポン」とも呼ばれ、(2)は、過去の振り返りをしない、生産性の低い計画策定とされる。
(3)これまでに取り上げられなかった課題の発見
・少子高齢化による人口減少は、全国津々浦々の問題であるが、第6次計画でも池田市の課題と指摘されている。全国の人口が減る以上、全国の地域開発・地域創生が一律に功を奏するとは考えられず、都市間での競争は現実問題として存在するのであり、勝ち組と負け組が出てくる。
・マスコミに100%左右される必要はないが、世の中の動向や人の好みも現実的な課題として考えるべきである。「住みたい街ランキング」を、複数社が毎年発表している。残念ながら、池田市は、同市に隣接する北摂都市に比較して人気がない。
(あ)直近の大東建託の「街の住みごこち自治体ランキング関西版2020」では、箕面市第3位、吹田市17位、高槻市18位、豊中市19位、池田市は25位。
(い)他のランキングも調べていただきたい。
(備考)過去にあるランキングの一分野として、池田市のエンジェル車制度が評価されていたことがあったと記憶する。
(4)理念やスローガンの整理が必要
(あ)第6次計画P3に、「平和安全都市」「教育・文化・健康都市」「風格あるゆたかな都市」という三大都市宣言とあり
(い)同じページに、「豊かな自然を守り、遊ぶ 歴史に学び、集う にぎわいが人と人をつなぎ、豊かで美しい心が育まれるまち」という将来都市像とあり
(う)市役所の駐車場壁面には、「教育日本一、子供・子育て支援日本一のまち」とある
(え)平成8年のみなおし’97には、「小さくとも世界に誇れるまち池田」とある
上記のどれが、最も大切なスローガンなのか。これらすべてが、まだ生きているのか、それともどれかはもう使っていないのか。
第7次計画策定で、また新しい文言を策定するのか。議論も相当尽くされた感があるので、過去に使ったものから選ぶのがいいのではないかも知れない。もし、適当なものがなければ、新たに現在に適したスローガンを決める必要があるが、わかりやすく、長期に使えるスローガンがほしい。
「不易流行」と言う言葉がある。「不易」とは変えない大切な部分で、理念やミッションとも言える。池田市の最も大切な理念は何なのか、それを第7次計画に明確にして欲しい。「流行」とは時代の変化に従って変えていかなければならない部分である。
(5)ミッション・ビジョン・バリューの整理
・近年企業が使っているものにミッション・ビジョン・バリューがある。ミッションとは(企業)理念、ビジョンとは大切にする価値観、バリューとは行動規範を意味することが多い。
・最も大切にする理念がミッションであり、先のスローガンのようにしょっちゅう変えるべきものではない。
・日本の自治体ではほとんどないようであるが、カナダ・アメリカ・オーストラリアなどでは、それぞれの自治体がミッション・ビジョン・バリューを定めている。姉妹都市のローンセストンもそうであり、同市のホームページにある。多くの海外自治体では、自治体自信のミッション・ビジョン・バリューだけではなく、自治体のそれぞれの部署がミッション・ビジョン・バリューを設定している。何が大切か、何に特化するかが明確であり、反対にその範疇に入らないものの優先順位は低い。つまり選択と集中を行うことにより、生産性の高い自治が行える。「あれもこれもして欲しい」と言う市民要請に振り回されて、何でもかんでも対応しないといけない自治体ではなく、優先順位の説明ができる。
・前項のスローガンの整理も含めて、池田市でもミッション・ビジョン・バリューの設定を、第7次計画で検討いただきたい。
【池田市として取り組む事業などについての古川個人提案の詳細】
(1)方針策定
・「どんな街にしたいか」。広報誌いけだ(令和元年10月号)の冒頭にあるように「池田市の20年後はどうなりたいか」を考えるべきではないか。
・その際、池田市の最大課題は何であるかを考え、あるべき今後の姿を考える。
・上記の通り、これまで多くのスローガンが作られ過ぎてきた感あり。大方針であるミッション(理念)は、場当たり的に変更するべきではない。
・ミッション(理念)を策定する際に、私案であるが、文言は別にして、次のいずれかの方針を頭に入れてと策定すべきと思う。
(1)「母になるなら池田市へ」
子育て関西日本一を目指す(関東の「母になるなら流山」の関西版)
(2)「家族づれで関西に転勤するなら池田市へ」
転勤族が家族で住みたいと思う街
(2)人口減への対策
・以下のどちらかを採用して、池田市を他市にアピールして流入人口を増やす
(あ)関西版「母になるなら流山」を目指すなら、附属小学校の経験をあえてうたって、その対策をしっかり打ち出し、子供にとって全国で一番安全な街とする。
(い)関東からの家族連れ転勤者を池田に住んでもらうために、待機児童問題、空き家問題に本腰で取り組む。
・「住みたい街ランキング」で池田市のランキングを上げる。
・他市への発信が必要。池田市には他市にはない大きな発信ネタがあるにもかかわらず、上手に発信されていないと感じる。歴史・文化の街、小林一三・安藤百福など偉人の街、高級感ある街、ウォンバットのいる街など。
他市に発信しないと人口流入は見込めない。
・池田のホームページを、移住者を増やすべく、対外的にアピールできるものとする。(現実は、箕面市のホームページに負けている)
・関係人口を増やす。年間5000件を超えるふるさと納税をしてくれている他市の人たちを大切にして池田をアピールする。
・池田市役所に関係する600人(?)のうち約半数が、池田市外に居住しているという。
すぐにではなくても、子供の進学のような人生の節目に池田に移り住んでもらうことを推奨し、それなりの転居手当・インセンティブを支払う。住民税(平均世帯で年間約10万円)や固定資産税(同、25万円)などが市の収入となる。
そもそも、池田市のことを一番知っていても、池田に引っ越ししたいと思わないほどの魅力しか池田には魅力がないのか。そんなことはない。
災害や有事の際を考えると、中枢たる行政の人たちは、できるだけ近くに住んでもらう必要がある。職員の新規採用に当たっても、池田市在住を優先としてもいいし、今住んでいなくても将来池田市に移り住みたいという意向があるかどうかを聞けばいい。
(3)空家対策への提言
・委員や関係者の皆様に、石橋西口のパチンコ店ベラージョの裏、さつき食堂の前を実際に見ていただきたい。石橋の一等地が空家だらけである。更地にして、売却するなり、駐車場や駐輪場を作るなり、リフォームして賃貸するなり、もっと活用方法を考えられないか。
・地主や家主にとって、空家をそのままにしておくメリットは、固定資産税の低減特例があることが大きいと思われる。戦後の人口増加・住宅不足への対策として、更地にしておくより、上屋があったほうがメリットがあったかも知れないが、今と事情が違う。固定資産税は、地方自治体で決めることができると理解している。
・空家を取り壊すと、更地として売却できる可能性が高まる。また、売却せずとも、有料駐車場としたり、リフォームして賃貸したりできる。
・空家取り壊し後も、例えばその後5年間は以前と同様の固定資産税を適応するとか、リフォーム費用を無利子で貸し付けることなどで賃貸を推進するメリットを与えるべきではないか。
・他方、池田市空家等対策計画は、有効に機能しているか。「仕組みはあるが、成果が出ていない」となっていないか。
・国の施作をそのままコピペするのではなく、池田市主導の施作が取れないか。全国の空き家比率は13.5%であり、池田市のそれは13.8%であると理解している。地方の住宅需要と池田市のような衛星都市の住宅需要はまったく違うと思うが如何であろうか。
・空家対策(と待機児童問題の対策)は、言うまでもなく人口増加の為の施策である。
(4)ダイバーシティに対する提言
・第6次計画の中に、「いけだパートナーシップ21(男女共同参加推進計画)」が参照されているが、第7次計画にとってもダイバーシティの推進は重要な意味があると思う。
・ダイバーシティとは、多様性。つまり、女性、シニア、外国人、しょうがい者などの活躍であるが、特に女性活躍推進に焦点を当てたい。少子高齢化により、労働人口が減少する中、これまでの男性中心の働き手だけに頼っていられない。
・岩手県花巻市と池田市とは人口は、ほぼ10万人であるが、大きな違いは、花巻の世帯数は池田のそれの約2倍であること。つまり、花巻の平均世帯数は約4名であり、池田のそれは約2名。親との同居の実態を精査する必要はあるが、花巻ではシニア層である親と同居している場合が高いと推測される。親と同居することのメリット・デメリットはあるであろうが、親が一緒にいると、孫の面倒を祖父母が見ることもでき、女性が外に出て働きやすい。
・エンジェル車制度は、「母になるなら池田市へ」を強く支援する仕組みである。ダイハツさんに「おんぶに抱っこ」であるが、3人目の子供からの車貸与ではなく、「2人の子供+祖父母どちらかの同居」でエンジェル車制度を運営できないか。池田市に住んでもらうと、住民税や固定資産税の収益があるのだから、池田市がエンジェル車貸与の一部負担してでもでも推進すべきではないかと思う。同様に、2人目の子供を池田で産んでもらうとエンジェル車が利用できるとすれば、「母になるなら池田市へ」がより現実的になる。もちろん、この場合も池田市からのエンジェル車貸与プログラムへの金銭的支援を考える必要がある。
・いけだパートナーシップ21(第2次池田市男女共同参画推進計画)P32にある通り、池田市女性の「Mカーブ」(子育てなどで働く女性人口が一時的に減り、M文字の谷の部分が深い)を見ても、まだまだ活躍できる余地があるように思える。男性の家事への協力、祖父母の協力などを推進すべき。
この計画をよく見ると、「やります」「進めます」などの抽象的な表現が多い。目標数値を明確にし、短い達成期間を設定するなど、もっと深掘りした本気の対応が必要である。同計画は、現状説明など解説が多いが、計画推進の施作は、非常に乏しい。
・「母になるなら池田市へ」を推進することに大賛成であり、待機児童問題、空家問題に加えて、女性活躍を推進する必要があると思う。
・安藤百福の妻を主人公にしたNHK朝ドラ「まんぷく」は、「安藤百福とその妻仁子」(青山誠)を原作とし、21%という高い平均視聴率を取った。「母になるなら池田市で」路線を目指すには、大きなアピールポイントとなる。
(備考)私は、一般社団法人彩志義塾の代表理事であり、ダイバーシティ、特に女性活躍推進に10年以上の活動をしている。女性管理職や幹部育成のためのオープンセミナー「立志塾」を6年間行なっており、約100名の卒塾生を輩出している。その中から、多くの管理職や執行役員や取締役も生んでいる。東京で活動しているが、来春から姉妹塾の「みちのく立志塾」が盛岡で始まる。池田市が本気で取り組む意思があるなら、ぜひ協力させていただきたい。「彩志義塾」や「立志塾」で検索願いたい。
※(一般社団法人 彩志義塾)
(5)生産性向上のための断捨離・ECRS=イクルス
・何でもかんでもしないといけないのであれば、市役所の業務量が増えるばかり。第6次計画でも言っているが、効率化を図るべき。第7次計画でも生産性を上げることを目標とするなら、やることとやらないことを明確にすべき。
・ECRSとは、E(Eliminate (不要なことを)取り除く)、C(Combine ダブっていることを統合する)、R(Rearrange 順番を変えてみる)、S(Simplify 単純化する)。ECRSをネットで調べていただきたい。
・最近こんなことがあった。ある関係から岩手県花巻市の広報誌を送ってもらったところ、それにはファイル用の穴が開いていない。池田市では、ファイル穴を開けていないと、一部市民から苦情が来ると言う。市民から要望を全て受けていたら、業務が増えていくことになる。一市民が要求すれば、何でもかんでも受けざるを得ないのか。そうではなくて、業務簡素化・経費節減のために、市では穴を開けない。どうしても一部市民が要求するなら、5万部に穴を開ける費用を負担して欲しいと交渉すべきである。そもそもファイルの穴など自分で開けられるもの。このようにして、無駄な仕事を一つでも減らしていくことも必要ではないか。
・提出書類が多すぎる。どこの行政もそうだからと言われたらそれで終わりであるが(日本の終わりでもある!)、考えられるすべての場合を想定して市役所は書類の提出を求めるが、1割でも2割でも必要書類を減らせないか。「必要な場合は他の書類も提出いただく場合があります」と規定しておいて、最低量の提出書類とする。
・ゲスの勘ぐりかも知れないが、「制度はあるが、実績が伴わない」のは、そもそも応募数を増やしたくないという消極性があるのかも知れない。もし、実績を求めない制度であるなら、制度を作らない方がまだいい。
・生産性を上げるために、全ての行政組織に、不要な書類がないかを問い、最低でも10%の不要な仕事を止めるよう指示するのはどうか。
・国が印鑑不要策を進めているが、国がそうだからではなく、池田市が主体的にECRSを進めればいい。
(6)池田市キャラクターに対する提言
・池田市制70周年を記念して作られたというフクマル君。その効果を第7次計画策定にあたり、ぜひ検証いただきたい。フクマル君のキャラクターが、どれだけ池田市を活性化したか、また他市の住民に対してアピールすることに貢献したか。
クマモンやヒコニャンなどの流行時に、猫も杓子も同様の「ゆるキャラ」を作成したが、効果を生んでいないキャラクターが圧倒的に多い。ゆるキャラグランプリなるもの2011年ごろから現在まで継続はしているものの、そろそろ飽きられて来た感があるのではないか。
・何もなければキャラクターをウリにしてもいいが、前述の通り、池田市のウリは他市に比較してたくさんある。
・私は、池田市のキャラクターを「ウォンバット」そのものとして、「ウォンバットの街池田」と打ち出したい。インパクトの薄いキャラクターより、可愛い生き物の方が、ずっとファンを作りやすい。
ローンセストンとの姉妹都市関係もPRしやすい。
ウォンバット が登場するYouTubeを見ても、フォロアーが1万人を上回っているものがほとんどである。
「ウォンバット を撮る」というような市民写真募集、「ウォンバット を詠む」というような市民俳句募集など市民イベントも考えられる。
(備考)関東を含む他地域で、池田市の知名度は極めて低く、「池田市」が大阪府のどこにあるかも知られていないばかりか、池田市というと、「池田市とは野球の有名なところですか(徳島)?」とか「北海道でしたか?」などと言われる。
キャラクターに「熊本の熊」とか「彦根の彦」との名前がついているとまだ分かりやすいが、フクマルと言っても地名との紐付けすらない。
池田市観光協会のホームページにフクマルの由来や説明があるが、説明を読まないとわからないようでは、厳しい。
(7)IT化に対する提言
・第6次計画にも情報化の必要性が書かれているが、市政はそうなっているか。10年前とはまったく違うスピードで情報化が進んでいる以上、第7次計画でもそれに対する検証が必要である。
・池田市役所内の基本的IT、メール、サーバーなどのキャパが十分か。
・災害などの非常時に職員が自宅やリモートの場所からメールなどをチェックできるようになっているか。
・スマートシティ、ウェルネスシティ、DX、IoT、AIなど言葉だけを一部の方が大空に向かって発信されている感があるのは残念。何のためにそれらが必要であり、それらがどのような効果を生み出すかの説明が極めて不十分である。
生産性を上げるためにスマートシティの要素を取り入れるのはいいが、そもそも、スマートシティとなることを、目的としていてはいけない。生産性の高い自治体や地域とすべく、利便性を上げるためにITスキルを上げることが必要である。
・ちなみに、私は、デジタル化・インターネット活用で、効率化を進め、生産性を高めることには大賛成である。ハサミや自動車は、大変便利なツールではあるが、時に凶器にもなり得る。情報漏洩対策を含めて正しい使い方すればいい。それも、今の行政の仕組みをそのままIT化するのではなく、まず方向性を決め、ECRSを行った上でIT化すべき。
・外部の専門家を招いて、職員も議員も参加する勉強会を継続することなどが必要ではないか。
・民間では、どこの会社も社内に情報担当部署があるが、池田市も専門部署を作って、まずは行政の効率化を上げるべき。
・地方自治体の何%が、議会の様子をテレビ中継やオンライン配信をしているか私はまだ調査していないが、IT化の一部として、市民や他市の住民に分かりやすい発信をしてほしい。議員さんだけに配布されている紙の資料を説明するのではなく、パワーポイントや、せめてメッセージボードを掲げて、議論してほしい。
・ホームページに市会議員のメールアドレスを明記してほしい(第6次計画にも市民の声を反映する仕組みを作るとある)。顔写真、住所、電話番号があるが、メールアドレスがない。意見を伝えるのに大変不便であり、せめてこれくらいの時代ニーズに対応してほしい。
(8)石橋地区の安心安全な飲食店活性化に対する提言
・石橋駅周辺には2つの国道を跨ぐ陸橋もあり、また石橋駅北には箕面川もあり、駅の高架化や地下化は簡単ではない。何十年か先にはそのようなオプションもあるかも知れないが、10年という計画策定に当たっては、現実を直視しないといけないのではないか。そもそも石橋駅の立地・構造は、明治末に有馬箕面電気軌道ができてから100年以上まったく変わっていない。
・価格的にリーズナブルな飲食店が多く、昭和レトロの雰囲気満載のいい「ダウンタウン石橋」であると、私は思う。今後もその路線を強化したい。
・(コロナ禍の今は別にして)箕面山に年間150万人の観光客が来ているという。石橋で乗り換えるなら、帰りに、その3分の1でも4分の1でも石橋で飲食してもらうと、石橋がもっと活性化する。宝塚からの帰りの客に途中下車してもらうにはハードルが高いが、箕面からは乗り換えがあるのだから、「帰りに石橋で一杯どうぞ」と看板を駅に立ててアピールすればいい。
・石橋の課題は、どの店、特にバーなど2軒目の店に入っていいかわからないこと、現実には、私のような人間でも、「一見さん」として飲み屋さんに入るには大きな勇気がいる。分かりやすくいうと、ボッタクられるかも知れないという心配である。突き出しやチャームの有無やその価格を含めてメニューに金額を明記して、店内やトイレに掲示する。明朗会計を是とする店h、店頭に分かりやすいステッカーを貼ることができる。期間を区切ってステッカーを更新し、夜の街パトロール(明朗会計になっているかのチェック)の要員も確保する。安心して飲める街石橋となり、箕面山の帰り客も、近郊からの集客も増やすことができる。(この業務は池田サンシーで行って欲しかった)
(あとがき)
・第6次計画もそうですが、本審議会メンバーに市のことをよくご存知の議員さんが入っていないのは、素人考えだと、極めて不思議です。のちに議会の承認を得るから不要となっていると想像しますが、(発言できる)オブザーバー参加を求めるなり、審議の途中段階で、何度か素案を議会とすり合わせするのはいかがでしょうか。
・他市が行なっていなくても、過去にやったことがなくても、池田市の主体性をもっと持ていただけないでしょうか。もし、どの会派の市議をオブザーバーに選ぶかなどとのつまらない議論が出るなら、手を挙げる市議を抽選で2名ほど選出すればいい。10回以上の会合を持って時間をかけて作成したものを議会に突然最終案として提案しても、根本からの修正要請などはしにくいのではないでしょうか。
・池田市の人気が問われている今だからこそ、あらゆる知恵を結集して、今後の10年間を考えることが必要ではないでしょうか。地域創生に役立つのは、「よそ者、若者、バカ者」と言われていますが、多くの街は、優秀ではあるが、同じ地域の馴染みの方々を集めて議論していることが多いと思います。
・繰り返しですが、第6次計画で目指した人口105,000人を遥かに下回っていて、10万人となっている。この点など、なぜ計画達成ができなかったかを、「ガラガラポン」するのではなく、前回の計画をしっかり振り返って、真剣に議論していただきたいと思います。
・これも繰り返しですが、住みたい街人気ランキングでは、池田市は北摂地域で最下位。ましてや近畿圏以外では池田市がどこにあるかも知られていない。過去と同じことをしていては、ここから脱却できないのではないでしょうか。
・よって、行政や議会の柔軟性や主体性を期待するものです。本審議会答申を議会がのちに承認する手順となっていると思うので、議員さんにもこのささやかな提言を前もって読んでもらいたいと思います。
・ご担当である総合政策部の方々や、第7次総合計画審議会員会の皆様、議員の皆様に小生の遺言の一部でも聞いていただきたいと思います。
(添付)「母になるなら流山」関連資料
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